オランダ:球根を使った山車がパレード「花の祭典」

彩り豊かな花々に魅了される「花の祭典」

オランダと言えばチューリップをはじめ、お花を思い浮かべる人も多いでしょう。
花産業はオランダの一大産業であり、世界中の花をオランダが扱っていると言っても過言ではありません。
そんなフラワー大国のオランダで開催されるのが、4月に開催される「花の祭典」です。
正式にはBloemencorso Bollenstreek(ブルーメンコルソ・ボーレンストレーク)と言います。

パレードのスタートは、ビーチリゾートとして近年人気が高まっている「ノールドワイク」で、アムステルダムから電車に乗って20分ほどの北海に面した港町です。
ノールドワイクから北ホランド州の州都である「ハールレム」までの約42kmのパレードルートを、約20台の山車と約40台の車でゆっくりと1日かけて行進します。
山車には、春を美しく彩る球根花が飾られており、豪華絢爛な山車のパレードを見に、毎年オランダ国内外から何十万という観光客が訪れます。

60年以上の歴史を持つ花の祭典

美しく可愛らしい花が咲き乱れる花の祭典ですが、実は第二次世界大戦の終戦を祝うために行われたのが始まりとされており、すでに60年以上の歴史を持つお祭りです。
今ではそういった意味合いは含まれませんが、世界各国から参加者や見物客が訪れ、春の訪れを告げる花の祭典として国際親善の役割も果たしています。

毎年4月の第3、または第4土曜日に開催されるこのイベントでは、毎年決められたパレードのテーマに合わせて参加者が山車の創作を行います。
なお、パレードの前日は出発前の山車の様子を、翌日にはパレード後の山車を鑑賞することも可能です。
当日は何十台と並ぶ花で彩られた山車に、コスチュームを着た人が乗り込み、観客に花を撒くなどしてパレードを盛り上げてくれます。

パレードのお花は最後に持ち帰りOK

パレードに使われた何千もの花々がどうなるのか気になりませんか?
実は、花の祭典ではパレード後の展示が終わったら、山車に飾られている花々を各自家に持ち帰ることができるのです。

17時を過ぎた頃になると地元民は落ち着かなくなり、皆で争奪戦が始まり、あれだけたくさん飾られていた花々は、あっという間になくなってしまいます。
さすが花の都オランダ、花を最後までムダにしない工夫と言えるでしょう。
人によっては何十本と持って変えるらしく、特にチューリップは人気のお花とのことです。

なお、パレードを見に行かれる際は、まだオランダが肌寒い時期となりますので、暖かい格好ができるように準備しておきましょう。
パレードは人気の観光スポット、キューケンホフ公園の前も通りますので、見どころたっぷり、1日飽きずに楽しめます。