ベルギー:フラマン人とワロン人

同じベルギーでも北部に住む人と南部に住む人で性質が異なる

ヨーロッパは陸続きの地域ですので、国境によって国が分けられているとしても、人種や言語がかなり入り混じっている状況が見られます。
同じ国でもいくつもの公用語があったり、異なる気質や見た目を持つ人種がいたりするわけです。
これはベルギーにおいても強く見られる状況です。

ベルギーは特に、北部と南部とで違いがあるとされています。
実際にお互いのことを良く知っているヨーロッパの人たちにベルギー人についての総評を聞いてみると、異なる意見を述べてくれます。
たとえば、とてもおおらかで明るく生きることを大事にしている人たちだと言ったり、まじめで勤勉な性格の人たちだとコメントしたりします。

この評価の違いは、そのまま南部と北部の人たちの違いとして表すことができます。
南部というのはフランス寄りの地方で、北部というのはオランダ寄りの地方です。

フラマン人とワロン人の違い

この南北の違いは、言語と人種の違いとして分類できます。
北部はフランドル地方とも呼ばれますが、ここにはフラマン人が多く住んでいます。
ゲルマン系の人種で、独自のフラマン語というオランダ語の方言から派生した言葉を使っています。

一方の南部はワロン地方と呼ばれ、ワロン人が主に住んでいます。
ワロン地方ではフランスと国境を接しているということもあって、フランス語をメインとして使っています。

このフラマン人とワロン人は、言語だけなく気質の点でも違いが大きいです。
北部のフラマン人は初対面の人から見るとシャイで、真面目そうな印象が強いです。
実際に勤勉に働き、しっかりと組織と予定を立ててビジネスに取り組むという性格の持ち主です。
見た目としてはゲルマン系ということもあって、身長が高くいわゆる骨太という感じでがっしりしています。

このフランドル地方にはベルギーの主要な経済都市が多く位置していて、アントワープやゲントなどの商業で成功したエリアが見られます。
ここに住んでいるフラマン人の勤勉な特性が、そのままビジネスにも反映されて発展しているということがよく分かります。

一方で、南部はラテン系でフランス人に近い気質があるとされています。
とても明るくてフレンドリーな性格をしていますし、開放的な見方を持っています。
また、個人主義で楽しく毎日を過ごしたいという感覚を強く持っています。
仕事についてもおおらかで、のんびりと働く人が多い傾向にあります。

このように、南北での気質の違いは大きなものがありますが、ベルギー人として共通しているのは食事を楽しむ文化があるという点です。
魚介も肉も大好きで、バリエーション豊かな料理があり、みんな食べるのが大好きです。