フィンランド:パートナーを担いで走る「奥様運び世界選手権大会」

夫婦の愛を確かめるチャンス?奥様運び世界選手権大会

世界にはユニークで面白いお祭りがたくさんありますが、フィンランドで行われている「奥様運び世界選手権大会」もそんな変わり種の1つです。
奥様運びと聞いてイメージするのは、お姫様抱っこでしょうか、それともおんぶでしょうか?

このフィンランドの奥様運び世界選手権大会は、あくまでスポーツとして争う競技大会なので、誰もが真剣に奥様を「担いで」ゴールを目指します。
砂利道や砂地、水濠など、障害物が設置された全長253.5mのコースを、男性がパートナーの女性を担ぎタイムを競うのですが、スピードだけではなく、コスチュームやパフォーマンスでも賞を取ることができます。

ちなみに優勝賞品は何だと思いますか?
なんと、担いだ奥様役の体重と同じ量のビールなのだそうです。

なお、カップルは必ずしも夫婦である必要はありません。
未婚でも友人でも、あるいは赤の他人であっても、それは採点には関係なく、男性とパートナー役の女性が組めば参加可能です。
ルールとしては、奥様役は17歳以上で49kg以上であること、奥様を体に固定するのは旦那さんがいつも使うベルトだけ、保険に加入するかどうかは任意で、といったものがあります。
また、もっとも観客を湧かせたカップル、最高のコスチュームを披露した人、最強の旦那さん役には特別賞が与えられる、とにかくこの大会でみんなが楽しめるように、となっています。

奥様運び世界選手権大会の由来は3つ

フィンランドの奥様運び世界選手権大会は、1994年に始まったお祭りです。
フィンランドのいたるところで行われていた町おこしイベントの1つとして、ソンカヤルヴィという村で行われたのが始まりです。

ソンカヤルヴィで奥様運び世界選手権大会が発祥となった由来は3つとされていますが、どれも真意のほどは定かではありません。
1つ目は泥棒がやってきて、食料や女性を担いで逃げたというもの、2つ目はとある男が隣町に住む人妻を略奪して背中に背負って逃げたというもの、最後3つ目は泥棒が訓練の一環として重いものを背中に担いだというものです。

奥様運び世界選手権大会の開催は7月上旬

奥様運び世界選手権大会は7月上旬に行われます。
この競技のために、学校や公共施設を貸し切って様々な障害物のあるコースを作り、参加者たちを迎える準備を行います。

奥様を運ぶ方法は自由ですが、この競技で特に多い方法は「エストニアスタイル」です。
これは、奥様の股に旦那さんが首を突っ込み、上に持ち上げるもので、奥様は旦那様の背中で頭を下にぶら下がる、なんともワイルドなスタイルです。
男性の両手も空き、負担も少なく早く走れるとのことで、今主流の走り方となっています。