イタリア:インフィオラータ

花の祭典インフィオラータ

イタリア、古都ジェンツァーノで毎年5~6月に開催されるのがこのインフィオラータです。
花の祭典と呼ばれ、道路に花の絨毯を敷き詰めて街を彩ります。

本来は聖者が聖体を背負ってパレードを行うのがお祭りの重要な部分ではあるのですが、しずかにあっという間に終わります。
翌日には仮装行列やブラスバンドといった賑やかなパレードが開催されます。

そして最後には子供たちが一斉に花の絨毯になだれ込み、あれだけ華やかだった花の絨毯を蹴散らします。
無邪気に遊ぶ子供たちの周りに花と香りが舞い、お祭りは終了します。

インフィオラータのはじまり

花の絨毯はもともとも聖体の行列を迎えるためのお祭りとして、1778年から始まりました。
これは13世紀頃からイタリア全体で聖体祝日に行列を花を道に撒く習慣があったことが影響していると考えられます。

1625年にはサンピエトロ寺院内でモザイク風の花の装飾が始まります。
この影響は他の国にも影響を及ぼし、このあたりから花のデコレーションをするようになりました。

モザイク調のデザインこそこうした影響はあると考えられていますが、花を敷き詰めたり撒いたりといった習慣はずっとあったようです。
花を敷き詰める習慣はジェンツァーノが一番古いと言われています。

花の祭典インフィオラータの歴史

花の絨毯のデザインから制作、聖者のパレードやその翌日の賑やかなお祭りは全て現地の人が行います。
しかしここ10年ほど前からは外国交流の目的として絨毯の1枚を外国のチームに依頼するようになりました。

記念すべき1回目は日本が担当しています。
日本の東京でもジェンツァーノ支援のもと、2001年10月に初めて開催されています。

地元の人のお祭りから外国人を招いて楽しむお祭りへと変化し、多くの人が楽しむお祭りとなっています。
キリストの聖体が通過する前は壮大な花のカーペットを目で見て楽しみ、お祭りのあとは子供たちが無邪気に花をまき散らす様子を見るのも歴史的な習慣です。

見どころは盛りだくさん

繊細なデザインもさることながら、街の周囲にも見どころが沢山あります。
参道から離れた場所では小規模な花の絨毯コンテストが開催されていたり、催しものがあったりと街全体がお祭りです。

開催時には屋台も沢山出店しますので、カフェやレストランが混雑していても花の絨毯を見ながら食事を楽しむ方法が沢山用意されています。
こうした出店を楽しむのも、お祭りの醍醐味と言えるでしょう。

イタリアの暑い日差しの中で行われるお祭りは、花びらが最も美しい瞬間の2日間開催されます。
短い間しか見れないからこそ感じる情緒的な部分でも、このインフィオラータを楽しめるのが特徴です。
日本でも親しまれつつあるインフィオラータ、ぜひ本場のものも見てみたいものです。