アメリカ:外に洗濯物を干さない

外に干さないその理由

日本では当たり前にベランダや庭に干される洗濯物、アメリカではこの外干しという行為自体ご法度のようです。
その大きな理由は何と言っても街の景観を損ねないためです。

さらに高層ビルなどの場合は物が落下するのを防ぐために洗濯物を外に干しません。
こうした文化のアメリカでは、洗濯物を外に干すのは恥という感覚すらあるそうです。
日本人からすると外に干すのが当たり前なので、双方の国に衝撃を受ける文化です。

高級住宅街とまでなると住民同士の取り決めで外干しをしてはいけないというルールを設ける場合もあるほどです。
お洒落な街の景観を住民で守るため、そうした決まりを作るのもどこか納得できます。

アメリカでは乾燥機が当たり前

外に干さないならどうやって洗濯物を乾かすのかが疑問ですが、これは乾燥機が解決します。
乾燥機がそれ程出回っていなかった数十年前までは実はアメリカも外干しは普通でした。
しかし時代が進むにつれ、便利で強力な乾燥機が登場していき、人々の生活にも浸透していきます。

そして乾燥機を持つ人が増えると景観を損なう以外の理由も出てきます。
洗濯物が外に干されている、乾燥機が買えない程貧乏な人が多い、治安が悪いという印象があるために、外に干されなくなりました。
乾燥機が買えない場合は部屋干しが主流だそうです。

外に干すことでトラブルになることも

しかし昨今では電気使用量の削減を目的として、晴れた日には外に干そうとする現地の方も居るそうです。
そこで発生してしまうのが乾燥機を使わないなら街から出て行けと言った住民同士のトラブルです。

中には脅迫状が届いたという噂もあるくらいなので、実際にこの問題は深刻であると言えます。
そうして街を追い出されそうになった住民が街に自由を訴え、条例として洗濯物を外に干すことを邪魔してはいけないと定めた街もあるそうです。

州や政府、地域で明確に洗濯物の外干しを禁止している訳ではありませんが、市民の習慣はなかなか抜けない様子が見てとれます。

禁止はされずとも身についた習慣

アメリカの洗濯物を外に干さないという習慣は乾燥機の登場とともに浸透していったことがわかりました。
政府が街の景観を損ねるためにと禁止したのではないのです。

もともと外に洗濯物を干さないのは、外干しをすることで街の治安が悪いと見えるのが原因でした。
しかし長期にわたり染みついた習慣や考え方は直ぐに抜けるわけではなく、電気の使用量削減を目的とした外干しでさえトラブルを引き起こしてしまいます。

日本では当たり前に外に干している洗濯物ですが、アメリカでは随分と違うようです。
もし現地で住むことがあるのなら、乾燥機は必須のお買い物になりそうです。