京都祇園祭

夏の風物詩

「京都祇園祭(きょうとぎおんまつり)」とは、一般的には「祇園祭」として知られ、京都市東山区の八坂神社(祇園社)にて執り行われる祭礼(さいれい)の事を指します。
明治までは、「祇園御霊会(ぎおんごりょうえ)」と呼ばれていました。
京都の夏の風物詩で、7月1日から一か月間行われるお祭です。

祭に関する行事は八坂神社・山鉾町とそれぞれが主催するものがあり、山鉾町主催の行事を「祇園祭」と呼びます。
また山鉾行事に関しては、国から重要無形民俗文化財として指定されています。

山鉾町が主催する諸々の行事の中でもハイライトとなる山鉾行事は、山鉾が設置される時期により、前祭(さきまつり)と後祭(あとまつり)の二つに分けられます。
行事は「宵山」、「山鉾巡行」等が有名です。
八坂神社主催の神事は、「神輿渡御」や神輿洗等が有名で、「花笠連合会」主催の花傘巡行(7月24日)も八坂神社側の行事と言えます。

祇園祭の歴史

疫病が流行したため、当時の朝廷は863年(貞観5年)に神泉苑で初の御霊会執り行いました。
しかし、その後も疫病の流行が続いたため、牛頭天王を祀(まつ)り、御霊会を行って無病息災を祈念しました。

祇園祭という名称は、八坂神社がかつては神仏習合(しゅうごう)の祇園社(ぎおんしゃ)と呼ばれていたことに由来します。
祇園社の祭神の牛頭天王が、祇園精舎(ぎおんしょうじゃ)の守護神で、祇園神とも呼ばれ、神社名や周辺の地名も祇園となり、祭礼の名も祇園御霊会となりました。

その後明治維新にて神仏分離令が出され神社名を八坂神社と変更しました。
祭礼名も仏教色を排除するため「祇園御霊会」から「祇園祭」に変更されました。

第二次世界大戦後、京都市中心部のドーナツ化現象が進んだため、多くの山鉾町の居住者が減少し、山鉾行事の運営に支障が出ました。
近年では、主要都市圏の地価の下落等もあり、マンションが新設にされたことにより、多くの山鉾町が保存会会員不足に悩まされずに済むようになりました。

祇園祭の各種行事

くじ取り式:山鉾のその年の巡行順を、くじ引きによって決める儀式です。
神輿(みこし)洗い:鴨川の水で、神輿を清める神事です。
飾りを解いた中御座を四条大橋へ運び出して行います。
神幸祭に先立つ7月10日(先の神輿洗い)と、還幸祭の後の7月28日(後の神輿洗い)の二回あります。

山鉾巡行:祇園祭のハイライトです。
元々は付け祭りでしたが、町単位で山鉾が出されたため、各町が贅(ぜい)を競い合うようになり、京の町衆の財力を背景に大規模で豪華になりました。

花傘巡行:1966年7月17日に山鉾巡行が統合されたのち、代替として初められた行事です。
子供や女性の参加が多いという点が、山鉾巡行との最大の違いです。