スペイン:サン・フェルミン

情熱の国スペインで行われる「牛追い祭り」

「牛追い祭り」はスペイン北部ナバーラ州の州都であるパンプローナで執り行われる祭りです。
正式名称は「サン・フェルミン」。
パンプローナはバルセロナから電車で4時間弱の所にあります。

毎年、7月6日から14日の9日間。
長い期間のお祭りです。
その間、牛追い祭りだけでなく、様々な行事でパンプローナをあげて盛り上がります。

「牛追い祭り」とは一見、「牛を追いかける祭り」と思いますが、実は「牛から追いかけられる」祭りです。
実は牛を追いかけるのは安全上禁止されているそうです。
牛から追いかけられるのにしても安全上厳しいものがあると思いますが…。
牛追われる祭りよりも牛追い祭りの方が浸透しやすいです。

サン・フェルミンの「牛追い祭り」とは

もともと牛追い祭りの発端は、その日の午後の闘牛で使われる牛を、闘牛場まで追い込むようにしていたもので、それが祭りとなったのは、ずいぶんあとの事。
それまでは、牛を追い込む過程の話だったのです。
牛追い祭りの前夜に牛たちは牧場から集められて、街の囲い場まで運ばれます。

そこから翌朝、ロケット花火の合図と共に1日約800人という参加者が、800m先の闘牛場まで走ります。
800mとは長いかも…と思われますが、牛に追いかけられていると一瞬で終わります。

人の服装は必ず赤をまとうこと。
多くの人が上下白い服装で、首に赤いスカーフ、腰に紐布です。
首部分が赤くなったスカーフは、過去に斬首刑となったサン・フェルミンの血を表すものだと言い伝えられています。

決まりではありませんが、みんなで服を合わせることで一体感が生まれて、祭りがさらに盛り上がります。
中には、闘牛を収めるための青い服を着る人もいます。

祭りの参加資格

参加資格は18歳以上であれば誰でも参加可能。
登録もいりません。国籍も性別も関係なく祭りに参加できます。
日本から盛り上がりたくて突然参加している人も多くいます。

しかし、牛追い祭りは、命と隣り合わせな危険な祭りでもあります。
あくまでも自己責任での参加を日本から行く人には声かけられています。

「サン・フェルミン」の由来

「サン・フェルミン」祭りの由来は、パンプローナの守護聖人フェルミンからきています。
もともとの目的は、守護聖人を祭るために行われた小さな宗教儀式だったのですが、これがヘミングウェイ著の『日はまた昇る』の舞台として取りあげられるようになったことをきっかけに、一気に有名となりました。
闘牛をはじめ、音楽やダンスでみんなで楽しむなど、地域を盛り上げる大きな行事の一つとなりました。

しかし、ここ近年死傷者が多く、問題も多くなっています。
先日も若いスペインの学生が亡くなり、新聞やテレビニュースでも放送されました。
まさに命がけといってもいい祭りです。