ドイツ:オクトーバーフェスト

国民的祭典

皆様は、ドイツと聞いて何を想像するでしょうか?
ポルシェやメルセデスベンツの様な高級車、バイエルンミュンヘンの様な強豪サッカークラブを想像する人も多いでしょう。
そしてやはり「ドイツと言えば、ビール!」と言う人が大勢ではないでしょうか?

そんなドイツを代表する一大ビールの祭典が、オクトーバーフェストです。
これはドイツのバイエルン州の州都、ミュンヘンで開催される世界最大のビールのお祭りで、テレージエンヴィーゼ緑地で開催され、毎年600万人以上が集まる野外イベントの中、約580万リットルのビールが消費されます。

最近ではこのオクトーバーフェストは、日本の各地でも開催される事も増えているため、ご存じの方も多いと思います。
そのオクトーバーフェストについて、解説していきます。

オクトーバーフェストの起源

今ではすっかりドイツのお祭りの代表となったオクトーバーフェストですが、意外とその歴史は浅い様です。
第一回大会は開催されるきっかけとなった出来事は、現在のドイツ連邦共和国のバイエルン州の前身の、バイエルン王国の王太子ルードヴィヒ一世とテレーゼ・フォン・ザクセン=ヒルトブルクハウゼンの婚礼です。
それは1810年の10月の出来事でした。

この時に王太子ルードヴィヒの意向により、スポーツ大会も開催され、それが今日の近代オリンピックの原型になったと言われています。
同時開催された競馬が好評で、翌年も同時期に開催すると王室が発表した為、これがオクトーバーフェストの歴史の始まりと言われています。
第一回大会から行なわれているテレージエンヴィーゼ緑地は、東京ドーム約9倍の広さを誇っており、会場名にちなんでヴィーズンの愛称で親しまれています。

ドイツのビール

日本のビールとドイツビールの違いと言えば、ドイツビールは「ビール製造にはホップ、麦芽、水、酵母だけを使用すること」と、法律で明確に決められている事です。
他国では風味や香りを良くする為に、コーンスターチやスパイスを加える事もありますが、ドイツビールでは副原料を加える事は御法度です。

ドイツビールの原料へのこだわりは徹底していて、約500年の歴史があり、それは1516年にバイエルン公国で公布された「ビール純粋令」に起源をみつける事が出来ます。
これは当時横行していた粗悪品を排除する為に設けられた法律で、現在も高品質のドイツビールの証として、受け継がれています。
そして、このオクトーバーフェストで出されているビールは、特にアルコール度数が高く、美味しいけれどすぐに酔っ払うので、毎年医療テントに担ぎこまれる若者が、後を絶たないそうです。
日本でも各地で開催されているオクトーバーフェストですが、伝統に守られて来たドイツビールとソーセージを味わう為に、一度は本場ドイツで参加してみたいものです。