ブラジル:卵を投げて誕生日をお祝い

ユニークな風習

PPP_tori-ritamagosan-thumb-815xauto-12833ブラジルには、「卵を投げて誕生日をお祝い」という、とてもユニークな風習があります。
日本で活躍するブラジルのサッカー選手が、「卵と小麦粉のブラジル流のお祝いを受けた」とニュースになることがあります。
起源は、「雛(ひな)は卵から生まれる、ということに由来している」、「誕生日ケーキを作るのが面倒だから、ケーキの材料をぶつけるようになった」と諸説あるようですが、はっきりはわかっていないようです。

卵を投げる場面

人に卵を投げる行為は、大抵の場合は相手に対しての抗議行動、侮辱、といった攻撃的な感情の表れであることが多いです。
外国ではデモでの抗議活動として生卵が投げられることがあります。
日本でも、少年が、いたずらでパトカーに生卵をぶつけるといったニュースもありました。

また、トマトを投げ合うトマティーナという祭りが行われるスペインでは、生卵や小麦粉を投げ合うお祭りもあります。
サッカーと言えば、誕生日を祝福されるのではなく、結果を出せずに卵を投げつけられたサッカー選手もいました。

スポーツ界で有名なのが、「生卵事件」と呼ばれるプロ野球での出来事です。
それは、1996年5月、近鉄バッファローズ対福岡ダイエーホークスの試合後に起こります。
最下位に低迷するチームに対して、ホークスファンが、当時の王監督や球団代表を批判する横断幕を掲げるなど、試合前から、ただならぬ雰囲気でした。

その日の試合もホークスの敗戦となり、試合終了後に怒ったホークスファンが、監督、選手の乗るバスを取り囲んで、生卵をバスのフロントガラスに投げつけました。
この日は日生球場のプロ野球最後の試合というメモリアルな日でもあり、ニュースとして、大きく取り上げられました。

卵を投げる理由

なぜ抗議の行動として卵を投げるのかについても、確定的な説はないのは現状です。
よく言われているのが、抗議の意味をアピールしやすい、当てられて割れると屈辱感を与えることが出来る、当たっても物損やケガにつながりにくい、といった点です。

生卵でも顔や目に当たれば大ケガにつながる可能性はありますが、大半は当たっても卵が割れるため、ケガをしたり、物が壊れたりすることは少ないと思われます。
卵をぶつける行為には、相手への抗議の気持ちはあっても、相手にケガをさせようといった暴力的な感情はないことが多いのかもしれません。
抗議の気持ちはアピールしても、相手にケガをさせないように配慮するという少しばかりの優しさは、冒頭でご紹介したブラジルでの卵をぶつけて誕生日を祝う風習の共通点を見出すことが出来るような気もします。