ミャンマー:僧侶になるための「得度式」

ミャンマーにおける僧侶になるための「得度式」とは

ミャンマーではほとんどの仏教徒が子供の頃に出家をさせるようです。
その際は「得度式」があります。
まずは、「得度式」の「得度」についてご紹介します。
「得度」は正しい作法を通じて、僧侶としてふさわしい姿になり、仏の教えを信じ、仏の徳を見につけることです。

「得度式」とは師匠によって髪をそり落としたいただき、衣(ころも)、袈裟(けさ)、坐具、応量器と言った僧侶が生きるために必要最低限の物を頂き、僧侶の仲間入りをするのですが、ミャンマーの子供もための「得度式」は華やかなものです。
それは、子供達「シンラオ」というきらびやかな衣装を身につけているからでしょう。
男の子は純白のサテン地の上下にきらきらした帽子、女の子はピンクかオレンジの衣装になります。
この服装は釈迦族の王子だったゴータマ・シッダールタ(後のブッダ)にちなんだものだそうです。
この儀式は2日に渡って行いますので、まだ小さい子供たちにとっては堅苦しいものになります。

出家の時期は?

出家の時期については明確に何歳~という決まりはないようです。
ただ、20歳未満の場合は「十戒」を守るようにします。

「十戒」の内容ですが、殺生をしない、盗みをしない、異性に触れない,嘘をつかない、酒を飲まない、午後に食事をしない、歌や音楽、踊りは視聴しない、指輪、ネックレスという装身具、香水は使わない、大きいベッドをつかわない、お金を受け取らないといったことです。
一般常識としても通用する大事な教えになります。
ミャンマーでは5歳から出家させるようです。

女の子と男の子の違いについて

ミャンマーでは子供の出家において、男の子と女の子の違いがあります。
男の子は剃髪しますが、女の子は儀式を終えたというしるしで耳に金のピアスをするようです。
剃髪は、まだ小さい子にとっては大変なことで、泣いてしまう子もいるでしょう。
原則として、女の子は儀式を受けるのみで出家はしません。
頭を丸めた男の子たちは裸になって水で全身を洗い、儀式用の化粧をおとして、エンジ色の僧衣を着せてもらいます。
そして、僧侶の話を聞いてお経を授かり、最後に子供の親が急須に入れた水を一滴たらして2日間にわたる「得度式」を終えるのです。

男の子の場合、剃髪後は僧侶として数週間か、数十日お寺に預けられることもあるようですが、その後は俗世に戻ります。
そのままお寺に残り、大人になるまで修行する子もいるようです。
親の考えにもよるでしょうし、人それぞれということでしょう。

ただ、まだ子供である時期に短期間でも修行できるのは、それだけでもえらいことです。
ぜひ、日本の子供達にも見習ってほしいもの。