オランダ:自由な国

誰にでもタメ口でフレンドリー

オランダの人たちの特徴を一言で言い表すと、とても自由でフレンドリーであると言われています。
そのことは、オランダ人たちの会話を聞いていればすぐに分かります。
というのも、オランダ人はどんな人に対しても基本的にタメ口で話しているのです。

オランダ語には、日本語ほどではないにしても、ある程度の敬意を表す表現や動詞の使い方があります。
見知らぬ人や目上の人に対しては、こうした敬語を使うのが普通のはずです。
しかし実際の日常会話を聞いていると、生徒が先生と話すときや仕事上の上司に対して社員がタメ口で話すのです。

会話という点では、タメ口ということ共に相手の呼び方でもフレンドリーさが現れています。
日本だと教師に対してであれば「○○先生」と付けますし、上司に対しては「○○部長」というのが普通です。
しかし、オランダでは相手と直接話している時には、ファーストネームで呼び捨てをします。

もちろん、他の人と話している時の第三者の話題をする時には敬称や役職を付けることは多いですが、少なくても直接対面で話す時には呼び捨てなのです。
それだけ相手との距離が縮まると共に、年齢や役職が違うとしても大きな壁を作ることなく親しく話せるというメリットが生まれるわけです。

国歌はあるけど国民のほとんどが知らない

国民として自分の国の国歌を覚えるというのはごく普通のこととして、日本では早い段階で学校で教わります。
しかし、オランダでは国家について学校で授業するということはありません。
それだけでなく、国家を覚えていて歌えるという人はかなり少ないのです。

もちろん、国家的行事のシーンなどでは流されますので聞いたことはあるはずですが、自分で覚えるということはないわけです。
これは単に若い人たちが知らないということではありません。
年齢を問わず国民の多くが国歌を歌えないのです。

仕事中でも常に音楽をかけているなど自由なスタイル

オランダの自由さというのは、仕事中にも見られます。
業種や会社によりますが、基本的に服装は自由で制服を着ないといけないとか、スーツ着用といったルールはほぼありません。
また、働いている時に音楽を聴くというのも自由で、それぞれの判断に任されています。
そのため、オランダのオフィスに行くとイヤホンを着けて書類やパソコンを操作している人を多く見かけるはずです。

しかも、これは外部の人が入ってこないオフィスだけのことではありません。
道路工事をしている作業員や、銀行の待合スペースなどでも音楽をかけていることが結構多いのです。
そのため、日本だと静かに仕事をしているとか、全体的に静かな場所として考えられているところで常に音楽がかかっていて騒がしいという状況が見られるのです。

台湾:赤い封筒

赤い封筒はご祝儀袋で使われる

色は特定の意味を持つことがあり、日本でも紅白の組み合わせというのはおめでたいことの象徴です。
同じように、台湾でも赤色は晴れやかなことやお祝い事に使われることが多いです。
たとえば、結婚祝いなどに送る祝儀袋として使われます。

ただし、日本だと赤色の袋と言うと多少淡い色をイメージする人が多いですが、台湾のものは真っ赤で朱色とも呼べる鮮やかなものがほとんどです。
台湾ではこの封筒を「紅包」と呼びます。
日本ではあまり見かけない封筒ですが、少なくても台湾でご祝儀をプレゼントする時には現地のお店で探してみましょう。

ちなみに、台湾では白色の袋に入れて渡すのは、基本的に葬式の香典のような場面です。
日本だと袋の色の違いはあまり考えずに、香典もご祝儀も白色のものを使います。
そのため、台湾の方に結婚祝いを差し上げる時には白色の封筒は避けた方が良いです。
文化の違いがあるとはいえ、相手がびっくりしてしまうかもしれませんし、変な誤解を生んでしまうこともありえるからです。

冥婚という風習について

台湾にはこのご祝儀袋に関係した、興味深い伝統的な風習があります。
これは「冥婚」と呼ばれるもので、具体的にどんなことをするかというと、女性が亡くなった後にその家族がご祝儀袋の中に女性の写真や髪の毛などを入れてから道路などに置きます。
そして、それを誰かが見つけて拾ったら、その男性は写真に映っている亡くなった女性の霊と結婚しなければならないという風習です。

この風習は、都市部というよりも農村部で多く見られていたもののようです。
しかし実際には台湾人の中でもこの風習を実際に見たことがあるという人はほぼいませんし、その話自体を知っている人さえ多くはありません。
ですから、この風習は映画などで作られたフィクションではないかとか、ごく一部の場所で昔に行われていただけのことではないかと考える人もいます。
また、冥婚自体はあるものの、路上に祝儀袋を置くということはしないということを述べる人もいます。

どちらにしても、これは結婚や男女の差ということについて明らかにする話です。
少なくても少し前の台湾では、未婚のまま亡くなった女性については、あまり手厚く祀ってもらえなかったという現実がありました。
男性のように位牌のようなものを置かれることがなかったからです。
そこで、亡くなった娘をかわいそうに感じ、思い出に残るようにという親の心からこうした風習の考えが生まれたのではないかと考えられています。

他にも陰陽の考えに基づく占いなどの影響もあるという意見もあります。
こうしたことを考えると、結婚による結びつきや家族の絆の大切さといったものを考えて、作られた話であることが分かります。