お歳暮

中国からの伝来

NKJ56_prezentbox-thumb-815xauto-15277昔中国では一月十五日を「上元(じょうげん)」、七月十五日を「中元(ちゅうげん)」、十月十五日を「下元(かげん)」と呼び、これを合わせて「三元(さんげん)」とし、一年の区切りとしていました。
お中元はこの「中元(ちゅうげん)」が夏の季節を表す言葉として、日本に残ったものです。

一方お歳暮は漢字が表す通り、歳の暮れ十二月のことです。
かつては一年に二回この中元と歳暮の時期に一族が家長のもとに集まり、半年間の無事を祝い、祖先の魂を祀りました。
その際にそれぞれが持ち寄った捧げものがルーツだと言われています。

お歳暮やお中元の役割

「日ごろお世話になっている方々に感謝の気持ちを込めて」がお歳暮やお中元の趣旨ですから、まったく直接的な色(契約色、目的色)を持たない不思議なお礼です。
言葉にするとすれば、「お蔭さまでまた半年間楽しく暮らすことができました。ご縁に感謝いたします」ということになりますでしょうか。

規則や建前が優先する社会では、今も昔も、日頃お世話になっている方々に無色透明な感謝の気持ちを伝える機会が意外に少なく、そんな機会を新しく作ることも難しいものです。
お歳暮やお中元を、先人の知恵が作ったご縁に感謝する機会であると考えれば、誰に何を贈ろうか考えるのも、とても楽しくなります。

お歳暮をやめる時のマナー

長年にわたり贈り続けてきた相手への贈り物は、なかなかやめにくいものですが、疎遠になってきて、自然と贈る必要性が低くなるケースもあるでしょう。
これまで贈り物をしてきた感謝の気持ちを無駄にしないために、やめる際にも、相手に不信感、不快感を与えないように、配慮することがマナーです。

実際に、昔の常識では仲人をしていただいたご夫婦に対しては、半永久的にお中元やお歳暮を贈り続ける習慣でしたが、現代では三年くらいが目安と変わってきています。
また、こちらがそろそろお歳暮をやめたいと思った時には、相手も同じように思っていることが意外に多いものです。

しかし、これまで頻繁に贈っていた相手から、突然に全く音沙汰がなくなってしまっては、何かあったのかと心配される可能性もあります。
相手によっては、「今後は止めましょう」とはっきり伝えても良いでしょうが、気分を害することもありますので、段階を踏んで徐々にやめていくほうが賢明です。
「お中元もお歳暮も贈っていた相手に対して、お歳暮だけにする」、「段々と安価なものにしていく」、「年賀状や暑中見舞いでの挨拶だけにしていく」というように、段階を踏むことで、相手にもこちらの気持ちや求めている距離感が伝わっていくはずです。